作りながら考えたこと 一次情報

名前を忘れても思い出せる検索とは

結論

名刺管理で「名前を忘れても思い出せる」を機能にするには、今使っているキーワード検索を無料のまま残し、それで拾えなかった時だけ意味で探すAI検索を重ねる、という順番が良いと私は判断しました。NiraiCardでは2026年7月10日、この設計をS152という社内の検討記録で確定させました。すべてをAIに任せるのではなく、外れた時だけAIを呼ぶという順番が肝心です。

なぜそうなのか

名刺交換をした相手の情報を後で探すとき、現場では次のようなことが起きます。

  • 名前の一部しか覚えていない
  • 会社名を略称や旧社名で覚えている
  • カナ表記か漢字表記か、記憶があいまい

普通のキーワード検索(部分一致で文字を探す仕組み)は無料で速く、結果が毎回同じで安定しています。ですが、覚えている文字が実際の登録内容とずれていると、何も出てきません。

ここで「意味で探す」AI検索(embedding=文章を意味の近さを表す数値の列に変換して、近いものを探す技術)を使えば拾えます。ただしこれを常時動かすと、呼び出すたびに費用が発生する仕組みなので、使い方を誤ると費用が青天井になります。私はこれまで、費用の歯止めを先に決めずにAIを組み込んで想定外にコストが膨らんだ失敗を経験しています。だからこそ、「キーワードで十分ヒットしたらAIは呼ばない。外れた時だけ呼ぶ」という二段構えにしました。

具体例(NiraiCardの実例)

NiraiCardの名刺検索は、今は次の二段構えで設計しています。

段階何をするか費用
第1段名前・会社名・フリガナ・メモ・業種・所属・役職を、既存のキーワード検索で照合無料
第2段第1段でヒットが少ない、またはあいまい検索を選んだ時だけ、意味の近さで探す使った分だけ

第2段の設計で決めたことは以下の通りです。

  • 提供元:Cloudflare Workers AIの多言語対応モデル(bge-m3)を使うと決めました。理由は、NiraiCardのサーバーがすでにCloudflareのWorker上で動いているため、新しい取引先や新しい鍵を増やさずに済むからです。
  • 保存先:Supabaseのpgvectorという仕組みに、既存の名刺データと同じ場所で保存すると決めました。データを別の場所に複製して同期させる手間がいらないためです。
  • セキュリティ:顔写真のURL、電話番号、メールアドレスといった暗号化している列は、検索の対象に含めません。名前や会社名、メモなど平文の列だけを対象にします。また、検索は必ずその利用者本人のデータの範囲でしか動かない仕組みにしてあり、他の利用者のデータが混ざることはありません。
  • 費用の歯止め:第2段はキーワードが外れた時だけ動くので、費用は使った分だけ発生します。さらに、もし想定より費用がかかりすぎたら、設定を一つ切り替えるだけで第2段を止め、無料のキーワード検索だけに戻せるようにしてあります。作る前に「やめる条件」を決めておく、という順番を守りました。

なお、この設計は2026年7月10日時点ではまだ提案段階(v0.1)で、実装はサービスの提供開始後に着手する予定です。今すぐ動いているわけではありません。ですが「先に設計と歯止めを決めてから作る」という順番自体が、AI機能を安全に足す時のやり方だと私は考えています。

今すぐできる一歩

観光・宿泊・サロンなど、お客様の名前や情報を台帳で管理している事業者の方は、まず次を確認してみてください。

  1. 今の予約台帳や顧客リストで、名前の表記ゆれ(カナ/漢字、旧姓、略称など)によって検索に引っかからないケースが起きていないか、洗い出す
  2. AIを入れる前に、今のやり方(無料の検索)がどこまで拾えているかを確認する
  3. AIを足すなら「常時使う」のではなく「今のやり方で拾えなかった時だけ」に絞ると、費用が使った分だけで済む
  4. 電話番号やメールアドレスなど個人情報をAIに渡す設計にするかどうかは、渡す前に必ず線引きを決める

まとめ

  • キーワード検索は無料のまま残し、意味で探すAI検索は「外れた時だけ」動く第2段にした
  • 電話番号やメールなど暗号化している個人情報は、AIの検索対象に含めない
  • 費用が想定を超えたら、設定一つで元の無料検索に戻せるようにしてから設計に着手した

順番を間違えなければ、AIは費用の不安なく足せる機能になります。ちばりよー。

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#NiraiCard#名刺管理#あいまい検索

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