AI導入は何から始める?棚卸しが先
結論:AI導入は「棚卸し」から始めます
AI導入は何から始めればいいか。私の答えは一つです。まず「誰が・何を・どのツールで・どの頻度でやっているか」を紙に書き出す業務の棚卸しから始めます。AIツールを先に選ぶと必ず失敗します。私はOCS(沖縄コミュニケーションサービス株式会社)で天然水族感の予約業務を棚卸しし、そこから初めてAIを当てる場所を決めました。ツール選びは棚卸しの後です。
なぜ棚卸しが先なのか
「AIを導入したい」というご相談を受けるとき、多くの経営者様は最初に「どのAIツールがいいか」を聞いてきます。しかし私は必ず逆から入ります。なぜなら、AIは「業務」に当てるものであって、「会社」に当てるものではないからです。
業務を棚卸しせずにAIを入れると、次の2つのどちらかが起こります。
- 現場が使っている実際の作業とAIの機能が噛み合わず、結局誰も使わなくなる
- 削減できる時間が分からないまま導入するので、効果測定ができず継続投資の判断ができない
デジタル化AI導入補助金2026(旧IT導入補助金)の申請書でも、私は「AIを入れたい」ではなく「何時間削減できるか、売上や成約率にどう効くか」まで定量で書くことを求められます。この定量化は、業務を棚卸ししていなければできる限り書けません。棚卸しは補助金の申請要件である前に、経営判断そのものに必要な作業です。
OCSの実例:天然水族感の予約業務を棚卸しした話
私は天然水族感(糸満・大度海岸のシュノーケリングツアー)の業務効率化計画を進めるとき、まず担当者ごとに次の形式で業務を書き出しました。
担当者:木曽さん
業務:天然水族感ツアー予約管理
内容:LINEで予約受付 → スプレッドシート転記 → 送迎時間を手動返信
所要時間:1件あたり10分
ツール:LINE公式、スプレッドシート
この1枚だけでも、「予約受付から送迎時間の返信まで、人の手で1件10分かかっている」という事実が見えます。ここに初めて「LINE公式とスプレッドシートの間の転記をAppsScriptでつなげば自動化できるのでは」という具体的な仮説が立ちます。ツールから発想していたら、この仮説は出てきませんでした。
私はこの棚卸しを担当者ごとに全部作り、最終的に「業務マップ」という一つの表に集約しています。項目は「カテゴリ/業務名/担当者/現状の流れ/使用ツール/改善アイデア」の6列です。さらに各業務を「入力→処理→出力→共有→分析」の5段階に分けると、どこで重複作業が起きているか、どこで人が待たされているかが一目で分かります。
同じ考え方は名刺の管理でも使っています。NiraiCardでは名刺を受け取った本人にスキャンさせません。理由は、現場の担当者が「誰が・何を・どの頻度で」名刺を受け取っているかを棚卸しした結果、本人スキャンでは温度感や紹介者の情報が抜け落ちることが分かったからです。ツールを先に決めていたら、この設計にはたどり着けませんでした。
今すぐできる一歩
難しく考える必要はありません。今日、次の4項目だけをスプレッドシート1行に書いてみてください。
| 担当者 | 業務 | 内容(流れ) | 所要時間・頻度・ツール |
|---|---|---|---|
| 例:木曽さん | 予約管理 | LINE受付→転記→返信 | 1件10分・毎日・LINE/Sheets |
これを業務ごとに1行ずつ増やしていくだけで、自社の「業務マップ」の土台ができます。私はこの棚卸しを、沖縄ビジネスAIラボでは週次30分のループの中に組み込んでいます。KPIを見て→原因を見て→来週の一手を2つだけ決めてGoogleタスクに落とす、というシンプルな回し方です。人数が少ない現場ほど、この30分を止めないことが効いてきます。
まとめ
- AI導入は、ツール選びではなく業務の棚卸しから始めます
- 棚卸しの最小単位は「誰が・何を・どのツールで・どの頻度で」の4項目です
- OCSでは天然水族感の予約業務やNiraiCardの名刺管理を、この棚卸しから設計しています
自社の業務を「入力→処理→出力→共有→分析」の5段階で書き出してみると、AIを当てるべき場所が自然に見えてきます。もし一人で書き出すのが難しければ、30分の仕事の流れ整理相談で一緒に棚卸しをしています。まずはお手元の業務を1行書き出すところから、ちばりよー。
関連記事
現在の仕事の流れを整理してみたい方は、サービス一覧、またはURL診断からお気軽にご相談ください。私のこれまでの経歴は相川浩一のプロフィールでご覧いただけます。
