作りながら考えたこと 一次情報

半水面構図はなぜ毎回ブレるのか

この仕事を売上や工数の仕組みとして見直すなら、まず疑うべきは「毎回ゼロから考えている作業」です。集客写真や宣伝素材づくりはその代表格で、私は天然水族感ツアーの宣伝画像で、水上と水中を一枚に収める半水面(ハーフアンダー)構図が毎回バラついて使い物にならない問題に悩み、感覚ではなく「型」を先に固定するやり方に切り替えました。センスの差ではなく、設計の差だと考えています。

なぜ半水面構図は毎回バラつくのか

半水面構図とは、水面を境に上半分が水上(人物・空・光)、下半分が水中(魚・サンゴ・水の揺らぎ)になっている写真や映像の構図です。観光・アクティビティ系の集客素材では、安心感(水上の家族の表情)と非日常感(水中の生き物)を一枚で両方見せられるため、使い勝手が良い構図です。

ただしこの構図は、画像生成AIに「海の中で泳いでいる感じで」「半分水中っぽく」といった、ふわっとした一文で頼むと高確率で崩れます。水面の位置が傾く、水上だけになる、水中だけになる、魚の形が破綻する、人物の顔や手が歪む、といった事故が起きやすいからです。

私がこれまでの試行錯誤で分かったのは、画像生成AIが苦手なのは「詩的な一文」と「キーワードの羅列」で、得意なのは「主題・仕様・表現・状況・禁止事項」を分けて渡すことだという点です。つまり、

  • 何を主役にするか(Subject)
  • 具体的に何を入れるか(Spec)
  • どんな絵のトーンにするか(Style)
  • どこで、どんな光で撮るか(Context)
  • 何を入れてはいけないか(Constraints)

をバラバラに書いて渡すと、再現性が上がります。逆に、目的・撮影指示・行動がひとつの文に混ざっていると、AIは何を優先していいか分からず、毎回違う絵を返してきます。これは半水面構図に限らず、集客写真全般に言えることです。「もっと綺麗に」「もっと自然に」と抽象的に足すより、どのディテールを、どこに、どういう仕上がりで入れたいかを一つずつ言葉にする方が、結果的に早くゴールへ着きます。

天然水族感ツアーでやっている型の作り方(具体例)

私は天然水族感ツアーの集客素材づくりで、半水面構図を安定して出すために、構図の要素をあらかじめ型として書き出しています。実際に使っている要素の分け方は、おおよそ次のとおりです。

水上に入れるもの

  • インストラクターが親子に寄り添っている様子
  • 安心してシュノーケリングをしている表情
  • 明るい太陽光が水面でキラキラと反射している様子

水中に入れるもの

  • クマノミ、ウミガメ、デバスズメダイなどが優雅に泳ぐ様子
  • シュノーケル器材は装着、タンクは使わない(スキューバではなくシュノーケリングであることを明示)

場所の指定

  • 糸満・大度海岸(ジョン万ビーチ)の海であること
  • リーフ(岩礁)が存在すること
  • 岩礁と砂浜が両方映る地形であること

入れてはいけないもの(禁止事項)

  • ボートが映り込まない
  • 濁った水、荒波にしない
  • 顔や手が歪んだ不自然な仕上がりにしない
  • スキューバタンクのような、ツアーの実態と違う器材を映さない

この「入れてはいけないもの」を先に決めておくことが、実は一番効きます。良い絵を狙って要素を足していくよりも、事故が起きやすい箇所を先に潰しておく方が、出来上がりのブレが小さくなるからです。例えば「ボートが映り込まない」という一文を入れるのは、天然水族感ツアーが「ボート不要、ビーチから直接入水できる」ことを売りにしているからで、構図の美しさの話であると同時に、集客メッセージとズレた絵を出さないための歯止めでもあります。

場所の指定についても、「沖縄の海」とだけ書くのと、「糸満・大度海岸、リーフがあり、岩礁と砂浜が両方映る地形」まで書くのとでは、仕上がりの安定度がはっきり変わります。地形の情報が具体的なほど、AIが迷う余地が減るという感覚を持っています。

動画でも同じ型が使える理由

この考え方は、写真だけでなく動画の企画でも同じです。動画の場合は「主題・仕様・表現・状況・禁止事項」に加えて、秒数ごとにカットを割る考え方が加わります。例えば沖縄ロケの動画では、環境面で毎回入れたい要素と、避けたい要素を分けて書き出しています。

入れたい要素は、リーフがあり岩礁と砂浜が共存する地形、透明度の高い浅瀬、画面端に入る熱帯植物、ターコイズブルーの海と青空です。避けたい要素は、ボートや船の映り込み、過密な人混み、危険な行為に見える動き、濁りや荒波です。これは写真の禁止事項リストと中身がほぼ重なっており、同じ「型」を媒体を変えて使い回している形になります。

私はこの型を、天然水族感シリーズのキャラクター(クマノミ・ウミガメ)にも応用しています。動画の企画では、クマノミの語尾を固定し、ウミガメの語尾を固定するという形で、毎回違うAIが作っても同じキャラクターに見えるようにしています。これも考え方は同じで、「毎回AIに任せきりにする部分」と「毎回必ず固定する部分」を分けておくと、シリーズとしての見た目の一貫性が保ちやすくなります。

もう一つ、動画で困りやすいのが日本語のテロップです。画面内の文字は崩れやすく、文字化けや奇妙な字形になりやすいので、私はナレーションや音声を中心に作り、テロップは編集の段階で別に重ねる前提にしています。最初から「画面内に完璧な日本語を出す」ことを狙うより、音声を先に固めて、文字は後から足す方が事故が少ないという判断です。

この型づくりで私が実感しているのは、集客素材の制作は「誰か一人のセンスに依存する作業」から「要素を書き出して組み合わせる作業」に変えられるということです。これは、写真や動画に限らず、チラシのレイアウトや名刺のデザインでも同じ考え方で臨んでいます。型があれば、途中で担当が変わっても、同じ水準の素材を作り続けられます。

今すぐできる一歩:自社の「型シート」を作る

読者の皆さまの事業でも、画像生成AIを使うかどうかに関わらず、まずできることがあります。それは、自社の集客写真や動画で「毎回必ず入れたいもの」と「どうしても入れたくないもの」を、紙でもテキストでもいいので書き出してみることです。

例えば観光・アクティビティ系なら、

  • 必ず入れたいもの:安心して楽しんでいる表情、現場の自然な地形、サービスの売りが伝わる要素
  • 入れたくないもの:競合と誤解される要素、実態と違う器材・乗り物、安全面で不安を感じさせる構図

宿泊・飲食・サロン系なら、

  • 必ず入れたいもの:清潔感、スタッフの距離感、看板メニューや施術の雰囲気
  • 入れたくないもの:雑然とした背景、顔が判別できない暗さ、実際と違う内装の演出

この二つのリストを先に作ってから、カメラマンに頼む、AIに頼む、自分で撮るのいずれを選んでも、仕上がりのブレは小さくなりやすいです。工数を減らす一歩目は、ツールを増やすことではなく、この「型シート」を一枚作ることです。型シートは完璧である必要はなく、まずは箇条書きで五つずつ出す程度で十分です。使いながら、ブレが出た箇所を一行ずつ足していけば育っていきます。

よくある質問

Q. 画像生成AIを使わず、自分で撮影する場合でもこの型は使えますか。 A. 使えます。型の本質は「必ず入れるもの」と「入れないもの」を先に決めておくことなので、AI生成か実写かは関係ありません。撮影前の打ち合わせメモとして使うだけでも、毎回の出来栄えのブレは減ります。

Q. 半水面構図のような少し難しい絵は、最初から業者に頼んだ方が早いのではないですか。 A. 初回は業者やプロに頼んで構いませんが、その際に「何を必ず入れるか」「何を入れないか」を自分の言葉で渡せるようにしておくと、修正のやり取りが減り、次回以降も同じ指示を使い回せます。丸投げにすると、毎回イチから説明し直すことになり、仕組みとして育ちません。

Q. 動画で日本語のテロップが崩れてしまう場合はどうすればいいですか。 A. 生成の段階で文字を画面に入れようとせず、ナレーションや音声を軸にして動画を作り、テロップは編集ソフトで後から重ねる方法に切り替えることをおすすめします。生成と文字入れの工程を分けるだけで、崩れた文字をやり直す手間が減ります。

Q. 集客写真の仕組み化は、売上にどうつながりますか。 A. 直接の売上効果そのものではなく、素材づくりにかかる時間と判断の負担を減らす話です。型が固定されていれば、繁忙期で手が足りないときも、誰かに頼みやすくなりますし、シリーズとして出し続けることで、見る側にも「あの海のツアーだ」と覚えてもらいやすくなります。

まとめ

  • 半水面構図が毎回バラつくのは、センスの問題ではなく「詩的な一文」や「キーワードの羅列」で指示していることが原因であることが多いです。
  • 私は天然水族感ツアーの集客素材で、水上・水中・場所・禁止事項を分けて書き出す型を作り、写真と動画の両方で構図のブレを抑えています。
  • 自社の集客写真や動画でも、「必ず入れるもの」「入れたくないもの」を書き出した型シートを一枚作ることが、仕組み化の最初の一歩になります。

ご自身の事業の集客写真や動画づくりを、どこから仕組みに変えればいいか迷っている場合は、現状の仕事の流れを一緒に整理するところから始められます。まずは気軽にご相談ください。なんくるないさ、一つずつ型にしていけば大丈夫です。

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#画像生成#集客写真#仕組み化

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