AI人材、採るより育てる。それでいい理由
結論:AI人材は採らなくていい。今いる人を「AI番」に育てる
ダイビングの現場で人材育成やお客様への案内に携わる中で、感じてきたことがあります。新しい技術が入ってきたとき、外から専門家を採るより、今いるスタッフの中から一人を決めて育てる方が、圧倒的に早く現場が回るようになります。AIも同じです。AI人材を採用する前に、社内で「AI番」を一人決めることが最初の一歩です。
なぜ外から採るより、社内で育てる方が早いのか
理由は単純です。AIは道具であって、道具を使う前に「現場を知っていること」の方が価値があるからです。
外からAIに詳しい人を採用すると、その人はAIには詳しくても、御社の顧客対応や予約の流れ、スタッフの動き方、忙しい時間帯の空気を知りません。知ってもらうまでに時間がかかります。逆に、今いるスタッフはすでに現場を知っています。そこにAIの使い方だけを乗せれば、動き出すのが早いのです。
私はこれをダイビングの指導現場で何度も見てきました。優秀なダイバーを外から連れてくるより、すでにお客様の顔と海況の癖を知っているスタッフに、新しい指導法を一つずつ覚えてもらう方が、現場は早く安定しました。技術は後からでも身につきます。現場感覚は簡単には移せません。AI活用も、順番はこれと同じだと私は考えています。
具体例:OCSの1day実践ワークショップで見えたこと
私が沖縄ビジネスAIラボで設計した「1day実践ワークショップ」は、最初から「社長+右腕スタッフまたはDX担当、2〜3名で参加できる企業」を対象にしています。これは、AI活用を社長一人の頭の中で終わらせず、社内の誰か一人に「持たせる」ことを前提にした設計です。
1日の中身は次のように組んでいます。
| 時間 | 内容 |
|---|---|
| 10:00 | オープニング・目的共有 |
| 10:30 | 業務棚卸しワーク |
| 13:00 | AI活用アイデア出し・優先順位づけ |
| 14:30 | プロンプト作成・業務フロー設計 |
| 16:00 | 3ヶ月ロードマップ作成・「明日からやること宣言」 |
このワークで最初にやるのは「業務棚卸しマップ」です。日々の仕事を「AI向き」と「人向き」に色分けしていきます。ここで出てくるのは、売上や集客のような大きな仕事ではなく、日報、SNS投稿、問い合わせ返信、見積もり作成といった「名もなき仕事」です。私はこれらを1業務=1つのAIエージェントで切り出すようにしています。1つずつ小さく渡すので、AIが苦手な人でも抵抗が少なく、社内の誰かが担当を持てるようになります。
これは、私がダイビングインストラクターを育てるときにやってきたことと同じ発想です。最初から全部を任せるのではなく、一つの技術をスモールステップで分けて、繰り返し身につけてもらう。AIも「日報だけ」「問い合わせ返信だけ」から始めれば、担当者は無理なく回せるようになります。ワークショップの最後に持ち帰る3ヶ月ロードマップとプロンプト集は、この「AI番」がその後も一人で運用を続けるための道具です。
今すぐできる一歩
AI人材の採用を考える前に、まず社内で「AI番」を一人決めてください。役職や年齢は関係ありません。日報や問い合わせ返信など、名もなき仕事を一番多く抱えている人が向いています。その人と一緒に、まず1つだけ業務を選び、「これはAI向きか、人向きか」を色分けしてみてください。それだけで、次に何をすればいいかが見えてきます。
まとめ
- AI人材を外から採るより、現場を知っている社内の人にAIの使い方を乗せる方が早く動き出す
- 業務は「名もなき仕事」から1つずつ、1業務=1AIエージェントで切り出すと導入が軽くなる
- まず社内で「AI番」を一人決め、1つの業務から色分けして始めることが最初の一歩
